株式会社okicom
2019年 IoTビジネス推進コンソーシアム沖縄に加盟
株式会社okicomはIT活用におけるさまざまな課題解決を支援するコンサルティングサービスや、GIS(地理情報システム)をはじめとするオリジナル商品の開発を行っている会社だ。創業は1980年、沖縄県内のIT企業としては老舗とも言える歴史を持ち、土木積算システムにおいては県内自治体シェアほぼ独占状態という信頼と実績を誇る。
しかしその一方では「おもしろいことへのチャレンジ」を社是として、近年は“アパレルDX”や“伝統工芸DX”など、ユニークな分野でのIT活用に積極的に参画、その中でのIoT活用事例も増えている。
システム開発部長として日々、お客様のニーズを満たすシステム作りに励んでいるという当真嗣昭さんにお話を伺った。
沖縄に貢献するミライ企業を目指して
長く続く企業ほど、得意分野が明確になってそこから外れない路線を進むことが多いように思うのですが、弊社は“これが得意”ではなく、“何でもできる”という点を大事にしています。元々は土木建築系のソフトウェアの販売やメンテナンスが主軸の会社でしたが、現在はどのようなジャンルでもITに関しての“おもしろい”ご相談を受けたらとにかく検討してみよう、というスタンスでいます。
実際、“おもしろそう”をきっかけにスタートを切ったプロジェクトの中には思わぬ発展を遂げつつある事例もありますし、自分たちも直接的に人の役に立つシステムを提供できる喜びや、全く新しいものを生み出す楽しさというやりがいを感じています。
現在は、土木関係以外にも福祉から水産、アパレル、伝統工芸など、業務の幅が広すぎて何屋さんかわからない、と言われることもありますが、多岐にわたる業務に共通する軸を表現するとしたら「地元沖縄への貢献」になるのかなと個人的には考えています。
IoTを利用したトレサビリティ管理
最近新規事業として始まった“アパレルDX”ですが、これはアップサイクルかりゆしウェアの開発を行う株式会社Rinnovationと連携した、循環経済型ビジネスを目指す取り組みでもあります。
参考URL:https://www.okicom.co.jp/business/okicomdx
さとうきびの搾りかす(バガス)を活用して繊維・生地の生産開発を行い、かりゆしウェアを作ります。
作ったかりゆしウェアをシェアリング(*1)して必要な期間だけ利用していただくことで、観光やビジネスで来沖して数回着ただけで廃棄されるかりゆしウェアの削減につながるようなビジネスモデルを考えています。
このプロジェクトの中では、かりゆしウェア一着一着にICタグを取り付けて、そのウェアの生産履歴情報―どこで育ったサトウキビが、どの工場でバガスになって、繊維化されたのはどの工場だったのか、というような情報がスマートフォンで簡単に確認できるようにしました。このタグの配置と読み込みに関わるシステムにIoTの技術を利用しています。
さらにこのタグには、かりゆしウェアが一体何人の人に着回されたかいう情報も記録されるので、それによって何着分の廃棄を削減できたかという成果の確認もできます。これをやってみてわかったことですが、IoTの技術は、今後もこのようにトレサビリティ(生産履歴情報の把握)を管理したいと考える産業などに利用できるかもしれませんね。
(*1) 沖縄県内の滞在中に必要な日数だけ、1日単位でレンタルできるサービス
詳細はこちら
Bagasse UPCYCLE; https://bagasse-upcycle.com
会社を支える「歩け歩け大会」
弊社の社長はとにかく元気でポジティブです。体を動かすのが大好きな人で、会社イベントとして今年で40回目となる「新人歓迎あるけあるけ大会」という長距離歩くイベントをやっています。
名護から那覇までおよそ65kmを歩くという、IT企業とは思えないイベントなのですが(笑)、こういった活動に理解を示し楽しめる社員が集まり同じ方向を向けるからこそ、新しいことにチャレンジすることを厭わない社風が育まれ、会社も長く続いているのだと思います。社長は今年(2021年)70歳になりますが、毎回完歩しています。
IoTビジネス推進コンソーシアムの魅力とは?
IoTビジネス推進コンソーシアム沖縄(以下、ビズコン)の加盟企業にはそれぞれ特徴があって、各社の幅広い経験を共有できるメリットがあると思います。
海のプロ、地方創生のプロ、IT技術のプロ・・・各社色々な特徴があるので、様々な局面で相談することができ、世界が広がります。
それでいて、ビジネスを推進するという意識が高いので、単なる仲良し団体ではないというところも大きな魅力です。
だからこそ、弊社もすでにいくつかの協働業務を行っておりまして、Upsideさん、ウェバートンさんとは福祉関係、マリンワークさんとは水産関係の事業、ブルーオーシャンさんとも福祉システムでの協業など、ビズコンの活動が実際にビジネスに繋がっています。
どの会社さんも、利他主義というか、自分だけ良くなろうというのではなく、皆が幸せになるためにはどうしたら良いかということを常に考えて動いているので、今後も同じような思いでタッグを組める企業さんの加盟が増えたら非常に嬉しいですね。
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